髪の毛を毎日洗っていても、ふとした瞬間に頭皮がくさいと感じることがありますよね。電車などの人が集まる場所やデートの時、頭皮の臭いが気になってしまうという人もいるでしょう。ここでは、女性の頭皮の臭いは何が原因なのか、どんな対策方法があるのかを紹介します。
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頭皮が臭くなる原因はマラセチア菌
自分で自分の頭皮の臭いをくさいと感じるということは、周りの人にもバレるくらい臭いがしている可能性が強いです。そんな臭いの原因は、どうやらマラセチア菌にあるようです。
常在菌とは
私たちの肌には、いろいろな菌が住んでいます。ニキビの原因になる「アクネ菌」という菌は、誰でも聞いたことがあるでしょう。アクネ菌の他にも約1兆個以上の常在菌が、私たちの肌から分泌される汗や皮脂を食べて生きています。
菌が肌に住んでいるなんて気持ち悪っ!と思うかもしれません。しかし、これらの菌はバランスが取れている限り、外部からの刺激から守ったり、微生物と戦ったりしてくれるので必要な菌達なのです。ですが、このバランスが崩れると、肌に良くない影響が現れます。
マラセチア菌が臭いにおいを排出
マラセチア菌も肌の常在菌であり、誰の肌にも存在しているカビ菌です。しかし、マラセチア菌の大好物である皮脂や角質などのフケが、何らかの原因で増えると、マラセチア菌はこれらをエサに大量に繁殖!マラセチア菌の排出する脂肪酸は肌にダメージを与え、臭いにおいを発します。
この状態は、皮膚疾患である脂漏性皮膚炎の可能性が高いと言えます。症状が進んでしまっている場合の自己対策は難しく、悪化すると抜け毛を伴う脂漏性脱毛症になってしまうことも。早めに皮膚科を受診して、治療することが先決です。
皮脂が過剰分泌する原因
頭皮が臭くなるのはマラセチア菌が繁殖するから…マラセチア菌が繁殖するのは皮脂やフケや多いから…皮脂やフケが多いのは…?ということで、マラセチア菌のエサになる皮脂やフケが過剰分泌してしまう原因を確認しましょう。
頭皮が汚れている
私たちの頭皮には、個人差はありますが約10万本以上の髪の毛が存在します。つまり、それだけ皮脂や汗を分泌する量が多く、髪の毛によってそれらが溜まりやすい場所でもあります。また、整髪料やほこりや花粉などの外部から付着する汚れもありますね。
こんなに汚れやすい環境なのに、頭を洗わず汚れているままにしてしまったら?マラセチア菌が大喜びで繁殖する環境になります。
ストレスが溜まっている
ストレスは自律神経のバランスを崩して血行を悪くするだけでなく、皮脂の分泌量を増やしてしまう原因になります。ストレスによって優位になった交感神経により、身体は常に緊張状態。この状態の時は男性ホルモンの分泌が活発になるため、皮脂の分泌が増えるということになります。
ホルモンバランスの乱れ
女性にとってホルモンのバランスが崩れやすいタイミングとして、これらが挙げられます。
- ストレスが溜まっている
- 更年期
- 卵巣摘出などの手術後
- 産後
上記のような理由で女性ホルモンの分泌が低下すると、男性ホルモンの影響を受けやすくなり、皮脂の過剰分泌や抜け毛といった症状が出やすくなります。
頭皮が乾燥している
顔のスキンケアでとっても大事なポイントに保湿がありますが、頭皮の保湿や乾燥させないための対策はしていないという人が多いのでは?頭皮も皮膚ですから乾燥します!乾燥したままにすると、身体は「皮脂が足りてないよ~」と指令を出して、皮脂を過剰分泌し始めるのです。
頭皮の蒸れ
頭皮が蒸れている状態は、マラセチア菌のパラダイス!マラセチア菌はいわゆるカビ菌。湿気が高くて温かい蒸れた頭皮は、異常繁殖するには好都合の環境ですね。
頭皮が蒸れるのはこんな時
- シャンプーした後に乾かさない
- 髪が乾ききっていないのに結ぶ
- 帽子を被ったまま
それでも皮脂は、必要なバリア機能
マラセチア菌は皮脂やフケをエサに増殖する!ということは、皮脂は完全に落とさなければいけないの?
いいえ。皮脂を落としすぎると逆に、更なる皮脂の過剰分泌に繋がります。皮脂は、頭皮を紫外線、細菌や汚れから守るといった役割のある頭皮にとってなくてはならないバリア機能なのです。
つまり、頭皮環境は常に清潔にしておくことが大切ですが、皮脂は落としすぎても溜まってしまうのもNG。また、マラセチア菌はカビの一種なので、湿った環境で増殖やすくなります。なので、湿ったままにしては良くないのですが、頭皮が乾燥すると皮脂の過剰分泌に繋がるので湿気も乾燥もNG。
何が言いたいのかというと、全てはバランスが大切だということです。マラセチア菌のエサになるからと言って、必要な皮脂まで落としてしまうと、頭皮のバリア機能を失うことになるので気を付けましょう。
皮脂を正常にして頭皮環境を整える方法

シャンプーを見直す
市販で安く売られているシャンプーには、高級アルコール系の洗浄力が強いシャンプーが多いです。男性に比べて女性は皮脂の分泌が少なく、乾燥肌から皮脂の過剰分泌に繋がっている可能性が大。このような乾燥しがちな女性の頭皮には、優しく洗浄できるアミノ酸系のシャンプーがおすすめ。
マイナチュレシャンプー
初回で購入した人は、購入日から14日以内は返金可能。効果がなければ返金というのは、トライしやすくマイナチュレシャンプーの商品への自信も感じられますね。
女性用育毛剤を使う
近頃では薄毛に悩む女性が増えてきている影響で、たくさんの女性用育毛剤が販売されていますし、使っている人もたくさんいます。女性用育毛剤には、髪の毛を育てるだけでなく頭皮環境を整えるものもあるんですよ。顔のスキンケアをするように、頭皮も保湿や血行促進効果のある女性用育毛剤でスカルプケアをしましょう。
食生活の改善
甘党の人!揚げ物が好きな人!辛い物好きの人!これらは、皮脂の分泌を活発にさせる代表的な食べ物です。皮脂の分泌を抑える働きのある食べ物も積極的に摂るように心がけましょう。
皮脂の分泌を抑える食べ物
・ビタミンB2
卵、レバー、魚、乳製品など
・ビタミンC
レモン、アセロラ、ゆず、ピーマンなど
・食物繊維
穀類、豆類、木の実、キノコ類など
代謝を良くする
皮脂が過剰に分泌してしまう原因の1つは、身体の中の脂質や糖質が代謝されていないからという理由があります。ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を習慣にすることで、脂質や糖質をエネルギーに変え、余計な皮脂の分泌を抑えることができますよ。
有酸素運動は血行促進、ストレス解消ができます。よって、皮脂の分泌を抑えるだけでなく、薄毛対策、美肌効果、ダイエットにも効果的です。
睡眠時間を大切に
私たちの身体の骨や肉、皮膚、髪の毛を補修したり作ったりするために大切な成長ホルモンは、寝ている間に分泌されます。成長ホルモンには、ストレスを解消させる働きもあるので、成長ホルモンの分泌が活発になる夜の22~2時の間には眠りに入っているようにしましょう。
頭皮にも紫外線対策
秋に抜け毛が多く感じる女性が多いのですが、この原因には2つあると言われています。
- 秋は毛が生え変わるという動物としての名残
- 夏に受けた紫外線ダメージ
1は生理現象として起こることなので、深く考えなくてOK。夏の紫外線は頭皮を乾燥させることによって、皮脂の分泌を増やすだけでなく頭皮を硬くして血行を悪化させ、抜け毛の原因にもなるので要注意!帽子をかぶったりUVカット効果のある整髪料を使ったりすることで、ダメージを未然に防ぐことができますよ。
女性ホルモンを補う
女性ホルモンのエストロゲンには、皮脂の分泌を抑えてくれる作用があります。女性ホルモンは食べ物からでも補うことが可能!大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをする成分として注目されているんですよ。大豆製品である豆腐、納豆、みそ、きな粉、醤油、油揚げなどを積極的に摂りましょう。
また、毎日の食事に取り入れるのは難しいという人は、サプリメントでも簡単に補うことが可能ですよ。
あなたの頭皮は大丈夫?頭皮の臭いを確認する方法
頭皮がにおうということは、皮脂の分泌が増えてマラセチア菌が繁殖してしまっているのかもしれません。では、自分の頭皮は臭くないか、嗅いでみましょう!というのは不可能ですよね…。そこで、自分で頭皮の臭いを確認する方法を紹介します。
指でモミモミして頭皮の臭いをチェック
頭皮のマッサージをするときのように、何もついていない清潔な指の腹を使ってモミモミしましょう。その後に自分の指の先のにおいを確認します。爪を立てないように注意してくださいね。
タオルを使って頭皮の臭いをチェック
指で確認する方法と同じように、タオルを頭皮に当てた後にタオルのにおいを確認。擦らないように注意しましょう。
枕の臭いをチェック
普段使っている枕のにおいを確認する方法です。帽子をよく着用している人は、帽子の内側のにおいでもOK!
まとめ
頭皮の臭いがくさくなる原因は、皮脂やフケをエサにしたカビ菌の一種であるマラセチア菌が排出する脂肪酸です。この脂肪酸は頭皮を臭くするだけでなく、頭皮自体にもダメージを与え、脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症を引き起こしてしまうことも。
しかし、皮脂は頭皮を守る大切なバリア機能だということを忘れてはいけません。皮脂を取りすぎると、逆に皮脂の分泌が過剰になってしまいます。頭皮の環境をバランスよく保つために大切なのは、頭皮に優しいシャンプー、女性用育毛剤でのスカルプケア、食生活の改善、代謝アップ、睡眠、紫外線対策です。
まずはセルフチェックで自分の頭皮のにおいを確認!脂漏性皮膚炎の症状がみられる人は、早めに皮膚科や頭髪専門クリニックの受診をおすすめします。